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『中国誘拐村~世界の因習~(漫画)』安武わたる【ネタバレ結末】 – 3分でわかるブログ

■タイトルと作者

『中国誘拐村~世界の因習~』安武わたる作

■どんなテーマなのか?

中国の寒村で村ぐるみの誘拐組織にとらわれた少女の運命。血縁が長男の奴隷となる因習の村、常盤御前、古代日本の伝説など「世界の因習」をテーマにした4つの短編漫画集。

■巻数と試し読み

1巻まで

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■あらすじは?

【おじろく、おばさ】

明治時代、山奥の村に父の恩人という理由で嫁がされた中原比奈子。戦場で父の命を救ったという杉浦栄吉は粗野な男で、村人たちも異様な雰囲気だった。貧しい村では血縁が多かったが、長兄以外は「おじろく、おばさ」として一生結婚を許されず、奴隷として仕える風習があったのだった。

「おじろく」のひとりタケルは、比奈子を「姉サ」と呼んで慕う。比奈子もまた、彼の境遇を哀れに思い食事を分けたり親切にするが、夫に見つかって罰を受けた。

長兄一家は比奈子の持参金や実家からの送金を当てにして働かないようになるが、比奈子の父が破産して脳溢血で倒れたため「厄介」として、比奈子が役立たずの嫁と女郎屋に売られそうになる。親切にされたタケオは比奈子を救うためにふたりで逃げ出すが・・・

【中国誘拐村】

「人さらいの村」に住む醜い顔の少女は名前がなく「グズ」と呼ばれていた。トラックにさらわれてきた女や子供が運ばれてきて、彼らの面倒を見るのが彼女の役目。

新しくやってきた美しい女・楊暁芳の世話をするうちに自分の身の上話をしたところ「一緒に逃げよう」とそそのかされた。

名前がない、という彼女に暁芳は「長芳」と名付け、初めて自分を人間扱いしてくれた暁芳に恩義を感じるようになる。誘拐村からふたりで逃げ出したが、助けてくれるはずの公安は村人たちの手先になっていて・・・

【常盤御前】

歴史実在人物伝。源頼朝の室だった常盤御前は、戦に破れて亡くなった夫のあと、平清盛のものとなる。3人の子供がいながら、千人の美女から選ばれたという乙女のような若々しい美貌を保つ常磐を寵愛する清盛。夫の敵をいつか取る、という思いを胸に秘めていたものの、清盛の意外な優しさにうたれ、常磐の心が揺れる。

【鬼子母神】

紀元3世紀の古代日本。那可国王の崩御のあと、第5王子・刀務(トゥム)の母である第4妃・清苗(キヨナ)は、親子ともども他の妃たちの妬みにより奴婢の身分に落とされる。

奴婢として過酷な労働をさせられ、数々の屈辱的な目に合わされる清苗だったが、幼馴染だった瀬他(セタ)に助けられ、なんとか日々を過ごす。

ある日、自分を奴婢に落とした妃の息子・イアクがやってきて争いになり誤って崖につきおとしてしまった清苗。イアクは野犬に襲われて亡くなり、王宮から大臣が迎えにやってきて身分が復活する。清苗は再び奴婢に落とされないため、心を鬼にして策略をめぐらすようになる。

■【中国誘拐村】登場人物の紹介

長芳:夫に「グズ」と呼ばれる少女。小さい頃さらわれてきて名前がなかったが楊暁芳に「長芳」という名前をもらう。誘拐村には4年前に売られてきた。事故で顔がつぶれている。

楊暁芳:誘拐村にさらわれてきた女。世話をしてくれた長芳に優しくする。正体は政府高官の娘。

金彦:村長の息子で、長芳の夫。人さらいの手伝いをしている。

■コメント

「中国誘拐村」タイトルだけで、どんな恐ろしいことが行われているのかとゾッとしながら読んでしまいました。長芳の夫が「人をさらうのは難しい」と言っている姿がリアルでしたね・・・。

健康でなければならないから浮浪児でもダメ、まともな親は人さらいを警戒しているから簡単に子供をさらえない。

男の子であれば子供のいない夫婦の養子になる、という幸せな選択肢があるものの、たいていは物乞いやスリにさせられたり、工場で過酷な奴隷作業をさせられる、という話。漫画の世界だけであってほしいと思える内容でした。

■作品への評価

近代化された世界で、未だに残る各地の「因習」。貧困のせいで、人が人から奪うことが当たり前になってしまった価値観の中で、もがき苦しみながらも懸命に生き延びようとする人々。

切ないお話、ゾッとするお話など安武わたる先生の手腕により、独特な世界が描かれ、惹き込まれる短編集です。

 

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Source: マンガ

 

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