漫画ネタバレと無料エロ画像

漫画ネタバレと無料エロ画像・電子コミック評価

二重のきらら結界:『こみっくがーるず』かおす先生考 – miusow’s diary / ロマン主義アニメ研究会

 『こみっくがーるず』の主人公かおす先生について。

単行本3巻pp.111〜(『MAX』2017年3月号掲載)のエピソードがとても素晴らしいので、これを手掛かりに、ちょっとあれこれ考えみようと思います。

 

◆かおす先生に励ましのお便りを 

とにかく「かおす先生」は、かわいいというか、応援したくなるというか、文字どおり「励まし」を送りたくなるキャラであります。

 

特に興味深いのは、次のようなところ。

 「女のコらしい部屋で…

お菓子食べたり おしゃべりしたり…

まるで4コマの世界…!」

f:id:miusow:20170628204326j:plain

(第1巻p. 20)

  あるいは、

「新しい学校の制服かわいい…!!

なんか私4コマの主人公っぽい…!?」

f:id:miusow:20170628204338j:plain

(第1巻p. 36)

 と、4コマ漫画家かつ現役女子高生でありながら、「女子高生が出てくるような4コマ漫画」(=きらら漫画)の世界に憧れている・・・というか、「憧れの対象」になってしまっているのです(だから、読者アンケートで、女子高生の描写に「リアリティがない」などと書かれてしまう)。

 

このように、かわいいし、興味深いキャラなのです。

(というわけで、これから「興味深い」点についてごちゃごちゃ書き記そうと思いますが、以下の話は、全くこの作品を楽しむにあたって不要なことで、かおす先生は「かわいい」し、「がんばってほしい」というだけで、いいと思います。)

 

◆かおす先生というキャラの興味深さ

「自分が4コマのヒロインであることに自信が持てない(疑いを持っている)、4コマのヒロイン、しかも4コマ漫画家」。

 

この時点で、かなり興味深い設定です。

 

(3巻あとがきで、ボツネームばかりだったころに、そういう自分からひょっこり出てきたキャラ、と作者の方は書かれてましたが、作者の方が、萌え4コマの世界とは何だろう、どうやったらそれらしく描けるだろう、と考えていたことが、そのままキャラとして反映されているような気がします。勝手な推測ですが。)

 

かおす先生は、萌え4コマ漫画(以下、単に「4コマ」と表記)[的なもの]を愛好し、かつ4コマ漫画家なので、4コマ漫画の世界がどういうものなのかということを、知識としては知っている。

そして、その知識として、頭の中にある4コマ漫画の世界と、目の前の自分の現実の世界とが、簡単には一致しないことも知っている。

 

ここまでは、現実の我々と同じ。

 

しかし、かおす先生は、やっぱり4コマの主人公なので(本人がそのことに自信を持てず、また本人が聞いたら驚くであろうけれども──例えば、彼女は自分のことを「変なモブ」と称したりしている)、彼女の頭の中にある、知識としての、二次元情報としての「憧れの4コマの世界」と、彼女の目の前の「現実」の世界とが、次第に一致していくことになる。小夢が「現実だよかおすちゃん」と言ってくれているように。

 

そして、かおす先生は、この「一致」にうろたえる。「まるで4コマの中にいるみたい」と、ぼんやりとする。

 

・・・なんとも夢のあるお話です。

 

作品内で、登場人物の頭の中にしかないはずの4コマの世界というものを登場させ、それが、作品内の出来事と合致していくというプロセスは、読んでいる人をより深くファンタジーの世界に連れて行ってくれます。

 

◆4コマの世界を描いた4コマに元気付けられる4コマ

このことがとてもわかりやすく、ちょっと感動的に描かれている箇所として、例えば、単行本3巻pp.111〜(『MAX』2017年3月号掲載)のエピソードが挙げられると思います。

 

今回、かおす先生は、仲間がみんな帰省してしまい、一人ぼっちになって急に寂しくなったり自信を失ってしまって「しょんぼり」なところから、自分の趣味、そして自分の描いた4コマ漫画に元気付けられ、さらにそこから仲間たちとの楽しい日々を思い出して、立ち直る、というようなお話でした。(寮母さん、猫のにゃおす先生も、元気付けてくれます。)

 

自分が描いた「4コマの世界」をきっかけに、自分は今、まさに「4コマの世界」(のような)日常にいるのだ(=寮での楽しい暮らし)ということを思い出すという(そしてこのプロセス自体が「4コマ」として描かれているという)、大変興味深いお話でありました。

 

この回は、笑ったり、感動したりできる、とても素晴らしいエピソードです。それに、4コマ漫画っていいなあ、と改めて思えます。ぜひご一読されることを皆さまにオススメいたします。(かおす先生の漫画家としての活躍が、この辺りから、少しずつですがその兆しを見せ始めてきていますし、後輩にあたる子もこのあと登場しますし、この回は、全体を通じて一つの転機になっている回ではないかと思います。

 

 

<以下、補足・詳細説明>

 

 

◆図解:かおす先生考

かおす先生は、きらら的世界に憧れ、その外部に放り出されかけたり、また戻ったりを繰り返している。

きらら的世界に完全に溶け込み切れてはいない。

 

そして、きらら的世界への憧れが人一倍強い。

この側面では、きらら読者、きらら的世界の外から中へと覗き込もうとしている、ファンタジーでその世界へと遊ぼうとしている人の立場が、描かれている。

 

と同時に、そういうかおす先生の日常自体が、きらら的世界として描かれてもいる。間違いなく、かおす先生は、きらら4コマの主人公である。

 

つまり、彼女はきらら的日常の内と外の境界線上にいる・・・ように描かれている。そしてさらに当然ながら、その全体が、きらら作品世界の内部にある。言い換えれば、きらら作品世界の内部に、その外部的なものを描いている、ということになる。

 

つまり、我々の3次元の現実とを隔てている「きらら結界」(A)内部に、さらに劇中での「きらら結界」(B)がある(描かれている)、という構図になる。

 

【図解】

 [1]我々読者

(薄汚い現実の私を含む)

 〜〜〜きらら結界A〜〜〜

 [2]かおす先生

(自分はダメダメでしょぼくて、と言っている。けど、[1]にいる我々から見れば、十分(すぎるくらい)かわいい。)

 〜〜〜きらら結界B〜〜〜

 [3]かおす先生の憧れる女子高生のキラキラな日常

  

かおす先生は、[2]の階層から、結界Bを突き破って、[3]の階層に徐々に入っていく。

これは明るくて希望の持てるお話なのである。

 

もちろん実際には、結界Aはびくともしていないので、[1]の階層にいる者(私たち)にとっては、当然フィクションなのだけれども、没頭して読んでいるうちに、自分が階層[2]にいて、階層[3]に憧れているのではないかと錯覚してくるところがある。これが、ファンタジーとして、醒めにくい効果を生んでいる。(・・・北海道の味噌ラーメンで、油を浮かせてフタすることで冷めにくくしているというのがあった気がするが、それに少しだけ似ている。)

 

もちろん、きらら読者の大半と違って、かおす先生は、彼女自身がJKであり、ちっちゃくてかわいいのであって、要するに、十分きららヒロインである。

だが、かおす先生は、オタク気質など、入り口では、きらら結界外部[1]に運命付けられた読者たちにとって共感しやすく、スムーズにかおす先生というキャラに乗って、きらら世界へとファンタジックに飛翔していくことができるのである。

  

◆他の作品における劇中結界描写との比較

とはいえこれは必ずしもこの作品だけの特徴とはいえないかもしれない。

即ち、あらゆるきらら作品において、時にその円満な日常に動揺が走り、登場人物の何人かが、そのきらら的日常から少し疎外された状況に置かれたりすることは、しばしばある。そして、その「疎外」の経験を通じて、今までの日常の貴重さを思い出す、というようなことはしばしばある(けんかして仲直り、とか)。

(上述「図解」に即して言えば、多くのきらら作品においては[3]の領域のみが目立っているが、時々、エアポケット的に[2]の領域が発生し、登場人物が[3]→[2]と疎外されてしまう、という状況が生じる。)

 

ただ、この『こみっくがーるず』における際立った特徴は、そのきらら的日常からの疎外と帰還、その価値の認識といったプロセスが、4コマ漫画家というヒロインの視点で、例えば「これは4コマのネタになる!」「4コマの世界みたい!」等という形で、明確に描かれている、という点にある。

  

◆・・・いずれにしても、楽しい作品です

もちろん以上の話は私が勝手に余計なことを考えているだけなのであって、

この作品自体は、こういったいろいろな理屈とはまったく関係なしに楽しいものです。

かおす先生はとてもダメダメでピュアでかわいいので、この作品を皆さまにお勧めいたします。

 

 

 

Source: マンガ

 

タグ :

総合   コメント:0

この記事に関連する記事一覧

コメントフォーム

名前

 

メールアドレス

 

URL

 

 

コメント

CAPTCHA